第7話

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ホテルの部屋に入ると、優凪がくるっと向き直って俺を見た。 「仁さん、何かごめんね?」 「いや、大丈夫だよ?まあ、気にならないって言ったら嘘になるけど…」 「だよね…」 「でも、無理には聞かない。」 「ううん、聞いてほしい! 私、祥ちゃん悪いと思ったからいえなかったんだけど…仁さんに嫌な思いしてほしくないから!」 「…うん、優凪が話してくれるなら聞くよ。」 優凪の手を引いてソファーに座らせ、俺も隣に腰をかけた。 「あのねっ、祥ちゃんと付き合ってたのは高3の時で…それまでずっと仲の良い友達だったんだけど、祥ちゃんに付き合おうと言われて… お互い恋愛に疎くて、高三にもなってはじめての相手だったんだけど。」 「…うん。」  「お付き合い半年くらい続いたんだけど、友達の延長の様な感じも抜けきれなくて…ある時、祥ちゃんから別れを切り出されたの…」 …あいつから? 「やっぱり、私とは友達で居たいって。」 …あいつにとって、最初で最後の女なんだろ?なんでだよ? 「私は納得出来なくて、祥ちゃんに理由を聞いたの。」 …そうだろうな。 「そうしたら…」 …そうしたら?
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