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「そうしたら、祥ちゃん…
しばらく黙り込んだ後に、教えてくれたの。『俺は男が好きなんだ』って…」
「…はっ?えっ?」
ど、どういう事だ?
「驚くよね?当時は私も衝撃をうけたんだ…」
「でもね、祥ちゃんが説明してくれて納得できたの。」
優凪の話はこうだった…
祥ちゃんが自分は男が好きな事に気づいたのは高1の時だったそうだ。
中学からの連れに彼女が出来て気付いたと…
でも、認めたくなくて、女の子を好きになろうと必死だったって…
近づいてくる女の子は沢山居たけど、付き合う気にもなれなくて悩んだって。
そんな中、優凪に出逢って、はじめて心を許すことが出来る女の子で、友達としてそばに居て好きだなと思ったと…
優凪となら付き合えるかもしれないと感じたらしい。
でも、付き合ってみてもやっぱり友達以上には思えなくて…
好きは友達としての好きで、恋愛ではなかったと気付いたと。
優凪を巻き込んでしまったから、誠意を見せるために、勇気を出してカミングアウトしたわけだ。
その後友達関係に戻って、祥ちゃんは高校を出ると留学してしまったから久々の再会だったと優凪は言った。
「ショックだったけど、話してもらえてうれしかったから…絶対に他言しないと誓ったの。
約束した訳じゃなかったけど…
…はじめて言っちゃった。」
「話してくれて嬉しいよ?
ありがとう、優凪?」
だから優凪が最初で最後の女なんだな。
あいつ…わざとだろ?
はぁ…してやられたな…
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