8338人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
週末で忙しかった仕事をなんとか終えて、足早に帰宅した。
玄関を開けると美味しそうな匂いが漂っていた。
「あっ、おかえりなさい!」
スリッパをパタパタ鳴らしながら、会いたかった人が玄関にやってくる。
たかが数時間離れていただけなのに会いたかったって、結婚したてってわけでもないのにおかしいよな?
本当、自分で突っ込みをいれてしまう程で呆れてしまう。
でも、それが素直な気持ちなんだよな。
「おかえり」
嬉しそうに微笑む優凪。
優凪から言われる「おかえり」は俺にとって特別に幸せな言葉。
遅くなるときは寝ててもいいと言っているのに、ソファーでうたた寝しながらも待っている優凪。
そんなときの眠そうな声の「おかえり」も、焦ったような「おかえり」も、俺の気持ちを和ませる。
寝てていいとか言いながら、どこかで「おかえり」を期待してる自分もいるんだよな。
「ただいま、優凪」
最初のコメントを投稿しよう!