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目覚めると、そこは…
一面に白色の壁と清潔感が溢れる部屋。
肌触りのいいフンワリとしたベッドに寝かされていた私は起き上がると同時に頭から激痛が走った。
すると、どこからか冷たいけれど甘い口調のする声が聞こえてきたのだ。
「まだ、起き上がらないほうがいいんじゃない?君、かなり頭から血流してたから。」
その声の主は、ゆっくりと私の前に姿をあらわしクスクス笑って見せた。
「あの…ここは?私は一体どうして…」
何も思い出せない私は何らかの事情を知ってる様子の彼に問いかけた。
??「別に教えてあげてもいいけどさ…。あ…ねえ、交換条件しない?」
悪戯っぽく微笑む彼の目はピクリとも笑ってはいない。
まるで冷血といった言葉が似合う。
「交換条件?」
??「そう。君の血を僕にくれたら教えてあげなくもないけどね。」
彼は可笑しいようにクスクス笑いながら、そう言ってきた。
私は言ってる意味がわからず、しばらくの間、黙ったままでいると、別の人が隣から現れた。
??「総司、またお前はそうやって…。直球すぎるだろーが。……あぁ嬢ちゃん。なんか、総司が気に触ったこといっちまったんなら、ごめんな。」
その彼はどこか大人びていて柔らかな感じのするアダルトな香りを漂わせていた。
総司「左之さんはナルシストすぎるんだよね。いい男気取りしちゃって…。いつも思うけどさ、そこんとこ、ずるいよね~。」
左之「総司には配慮がなってないってんだろうが。」
総司 「配慮ねぇ~」
?? 「あ!目覚めたんだ!」
ワンテンポトーンが高い人が一人、部屋に入ってきた。
その彼は今いる二人とは違って少し幼いような、感じ…
でも、人懐っこくて犬みたいな可愛らしい感じだ。
?? 「って、左之さん…相変わらず行動早いな。」
左之 「バカいえ!平助、俺はな…総司が最初、変なこと言ってるから止めにはいったんだろうよ。」
総司 「変なことって、人聞き悪いな~。僕は彼女を心配して…」
左之 「どこが心配だ、駆け引きかけようとしてただろうが。」
平助 「駆け引き?なんの?」
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