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ある日、よくない噂が屋敷中を騒がせていた。
どうやら西の吸血鬼の頭が嫁探しを始めたようだ。
もう、こんな季節になったか…。と皆が憂鬱な思いでいた。
去年は結局、めぼしい嫁候補は見つからず、その八つ当たりのとばっちりを食らったばかりだからだ。
新八 「おい、アイツに去年はなにされた?」
嫌そーに眉を歪めて皆に尋ねる。
左之助 「俺は、自慢の腹にえげつない落書きされた…。油性ペンで描きやがったから、消えるまでに時間かかったんだぜ。」
腹をさすりながら、苦い思い出を思い出すように渋い顔をする。
新八 「一は?」
一 「あぁ、あまり思い出したくはないのだが、布団のシーツが趣味悪いバラ模様の柄に全てすり替えられていた。あれは、落ち着かなかった。」
全「……」
新八 「一のは、軽いな。じゃあ次だ。平助は?」
一 「何を言う!そのシーツのおかげで眠れなかったのだぞ。」
平助 「まぁまぁ、俺は女装させられてた。朝起きたらなぜか知んねーけど、頭にはリボン、フリフリのワンピース、顔にまで化粧されてさ、あれは吐いたね。自分の顔見て初めて気持ち悪いと思った。」
全員が平助の女装を想像する。
全 「ぶっ!クックックッ…。アーハハハハハハ…。」
腹を抱えて笑い転げる。
それを見た平助は顔を真っ赤ッかにさせて怒る。
平助 「ひでーよ!なんで俺の時だけ笑うんだよ。」
総司 「だって、平助を女装させてまで、って思ったら笑えちゃって。嫁にしなかったってことは、よっぽど酷かったんだね。平助の女装姿。」
平助 「なんだよ!け、結構いけてたと思うけど…。って、そういう総司はなにされたのさ。」
総司 「僕?」
平助に指をさされ、少し考えてから、思い出したように答えた。
総司 「僕の自慢の剣が、千歳飴に代わってた。」
全 「…地味だな。」
総司 「せっかくならさ、金平糖が良かったよね~。」
全 「そういう問題か!」
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