300人が本棚に入れています
本棚に追加
/141ページ
新八 「お!そこの可愛い子ちゃんは、やっと目覚めたか。待ちくたびれたぜ。」
目をギラギラさせ獲物を狙う鷹のように新八は私を見つめてきた。
左之 「ったく、どいつもこいつも…。何しに来やがったんだよ。ちっとは静かにしろよな。」
新八 「そういう、お前は何しにここにいんだよ。」
新八に突っ込まれ、「そりゃぁ~…」といいながら総司の方へ視線を向ける。
総司 「どうしたの?僕の顔に何かついてる?」
左之 「いや、総司を放っとくと抜け駆けするんじゃないかって思ってな。巡察に廻ったわけだ。」
総司 「人聞き悪いな~。僕がそんなセコイことするわけないじゃない。どこの誰かさんと違って。」
総司はニヤリと不適な笑みを見せたあと、窓を全開に開け放つ。
?? 「いってぇ~」
すると、思い切り窓の縁がオデコに当たった様子で、額を赤くさせながら姿を現した。
平助・新八 「土方さん!?」
土方 「ったく、総司!ちゃんと誰かいないか確認してから窓を開けろ。」
痛そうに額を擦りながら部屋の中へ入ってきた。
総司 「そんなところで盗み聞きしてる泥棒猫がいるなんて、誰も思いもしないよね。僕だって、たまたま暑くて窓、開けただけなのにさ…。まさか、土方さんが隠れてたなんて思わないでしょ。」
嫌味に聞こえる総司の声は土方の怒りをヒートアップさせるだけだった。
土方 「いや、総司は俺がいたから、あんな当たるように乱暴な開け方したんだろーが!」
平助 「うわっ、それは酷い。」
左之 「やりすぎだぞ。総司…」
新八 「物には限度があんだよな~…」
最初のコメントを投稿しよう!