目覚めた所は

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…そうして私は近藤勇局長という人のもとへ連れていかれた…。 そこには、研究が趣味?の三南さんや医学担当の山崎丞さんが同席していた。 近藤 「うむ。傷は深くないようだね。よかった。」 山崎さんに包帯を交換してもらった私に近藤さんはニコヤカにうなずいた。 土方 「近藤さん、これからこの娘の処分を話したいんだが」 「処分…!?」 まさか、私…殺されちゃうの? そんなのヤダ!! 土方 「こら!じっとしてろ!」 暴れ始めた私の両脇を抱え乱暴に椅子へ座らせる。 近藤 「こら、歳!止めないか!女子の体に傷でもついたらどうするんだ。」 土方 「でも…コイツが」 土方さんの言葉で、さっきまで穏やかに聞いていた三南さんが、静かに口を開いた。 三南 「すまないね。土方くんも、近藤さんも君を、どうこうしたいというわけじゃないんですよ。できれば、無事に帰してやりたいと考えてはいるんです。どうか話を聞いてはくれないでしょうか?」 穏やかで説得力のある声のトーンに渋々、コクりとひとつ頷く。 それを確認した土方さんは、私の両脇から手を離すと、壁際にもたれかかった。 近藤 「いや、すまない。怖い思いをさせて。悪気はないんだ。」 「はい…」 近藤 「私は近藤勇…君の名は何て言うんだ?」 「私は、須藤 雛と言います。」 近藤 「雛くんか。うむ、いい名だ。ところで雛くんは少し記憶が曖昧だといっていたみたいだが…何をどのように曖昧なのか教えてはもらえないだろうか。」 「はい…」 周りに他の人達が監視するなか、ひたすらに頭の中で記憶という回路を辿っていく。 確か、学校行事で登山していて…友達の美樹ちゃんと百合ちゃんで話しながら登ってたんだっけ…。 途中…私が靴紐が切れたから替えの紐をつけようとして…二人には先にいってもらったんだっけ…。 あ…その時かも。 替えの紐を落っことしそうになって掴もうとした瞬間バランスを崩して、そのまま下に…落ちたんだっけ。 で気が付いたら、ここに…。 そうだ、そうだったんだ。 改めて抜けていた記憶の一部が綺麗に収まった。
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