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『グギャ~~!』
ドラゴンは目の前の獲物を追っている。
その獲物はというと…
一夜『冗談じゃねぇ~ぞ~!』
ミント『吠える暇があったら走って走って!』
全力で逃げていた。
一夜『あんなでけー奴から逃げられんかよ!?』
ミント『わかんないけど、逃げなきゃ食べられちゃうでしょ~』
当たり前だ。じゃなきゃこんな短い人生をこんなわけのわからん所で終わすことになる。それだけは勘弁だ。
一夜『この先なんかあんの!?』
ミント『崖があるの!!』
一夜『崖ぇ~!?まさか勢いで落とす気か!?アイツ飛べるんじゃないのか!?』
ミント『アイツ…急には飛べない特性があるのよ』
神話のドラゴンさんも大変なんだな。
そう思いながら全力で逃げていく。
だが、大きさからして差があり過ぎるためどんどん追いつかれていく。
一夜『お…追いつかれる~、ま…まだなのかよ!?』
ミント『も…もうすぐだから頑張って!』
お互いに息が切れそうなだが、必死に走った先に崖が見えてきた。
ミント『見えた…!、よ…横に飛んで~!』
一夜『わ…わかった!!』
ミントの合図と共に横に飛ぶ。
『ガゥ!?……ギャオ~!』
ドラゴンは崖にまっ逆さまに落ちていった。
ミント『ハァ…ハァ…』
一夜『ハァ…ハァ……やった…』
ミント『だ…大丈夫、一夜君?』
一夜『な…なんとかな…』
ゆっくりと息を整えながら立ち上がる一夜。
ミント『しかし、驚いたな~』
一夜『何がだよ?』
ミント『一夜君、意外に体力あるんだね~』
一夜『まぁな、特に鍛えたりとかはしてないけど』
鍛えるというよりは、元々なんだよな、運動は元々得意な方だったし。
ミント『ふ~ん、あ!』
一夜『どうした?』
ミント『道に迷ったなら、この先に町があるから行ってみるといいよ、知ってる人がいるかもよ?』
一夜『知ってる人?』
まさか、シェリーだろうか。
ミント『そうそう、とにかく行ったら?んじゃね』
一夜『あ、おい!』
ミント『私、急用思い出したから!』
そう言ったミントはまた木々に飛び移りながら去っていった。
一夜『忍者かあいつは……ったく』
そう呟きながら、町を目指すことにした。
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