第二章

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それも、一人で。 「こちらです、お客様。」 どうやら、蓮はリコに気づいていないらしい。そのまま、リコが案内した席へと座る。 「ごゆっくり。」 と言ってリコはマスターの所へと向かおうとした。しかし、どうも前に進めない。蓮がリコの制服の裾をつかんでいるようだった。 「あの~なんでしょう?お客様?」 「あの、俺このクリームソーダで。」 と注文をする彼。リコはその彼の美しさに見とれてしまっていた。 「あの~」 「あ!すみません!クリームソーダ一つですね!」 とリコは真っ赤になりながらマスターのところへと向かった。 「マスター、クリームソーダ一つ!」 「はい~」 と言ってマスターはクリームソーダをつくリコに渡した。 「クリームソーダでございます。」 とリコは微笑みながらクリームソーダをテーブルの上に置く。 小さく礼をしてマスターのところに戻る。そして、15分ほどすると蓮が会計場の方へと向かうのでリコも会計場へ向かう。 「120円でございます。」 「ここ、レトロでいいね。」 と蓮がいきなりリコに話しかける。 「あ、ありがとうございます。」 「・・・・。ねえ、君桜川学校?」 「えっ はい。」 と驚いたようにうなずくリコ。 「そっか。クラスどこ?」 と蓮はリコに聞く。 「あ、2-Aです。」 「ねえ、毎日ここで働いてるの?」
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