煉瓦街の住人

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赤煉瓦2番地路地裏には帽子を被った猫がいた。 「ハローハロー、ミスタ ガルディノ。ご機嫌はいかが?」 「やぁやぁやぁ、ご機嫌だって?君はまた不思議な事を言うね、」 ミスタはうんざりしたように首を伸ばした。そして空を見る。 「こんな雨の日にご機嫌なんて野暮な事を聞くもんだぁね、さぁさ餓鬼は嫌いさ。今すぐ帰りたまえよ」 石畳を見ても雨なんて降った跡はない。周りの窓は大きな口を開けていた。  
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