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甘い狂気から逃げるように走るといつの間にか此処は白煉瓦街16番地。
呪い屋の店先から赤毛の旅人が出てくる所だった。
「ハローハロー、旅人さん。ご機嫌はいかが?」
「やぁ少年、ご機嫌は上々だ。ここの旦那がまぁ気前の良いこと、小遣い稼ぎにと売った鉱石にたんまりとお金を払って下すったんだ。ほら、」
言いながら旅人は懐をポンと自慢気に叩く。
「これだけありゃあ、暫くは安心だ。そうだ少年、アンタにゃコレをくれてやろう」
旅人は楽しそうに自身のポケットに手を入れる、そして取り出して僕にくれたのはキラキラ綺麗な飴玉が2つ。
「この砂糖菓子もここの旦那に貰ったんだが俺は甘いのが苦手でね、聞いた話にゃ異国の格別美味い砂糖菓子だそうだ。ちゃんと味わいなよ」
「ありがとう旅人さん。それじゃあ、」
「あぁ、じゃあな少年。虫歯に気をつけろよ」
旅人はガシャガシャ色んな物が入ってる大きなリュックを背負い直すと西の方へ歩いていった。
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