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「あなた本当に自分勝手ね」
耳もとでミサトの声が聞こえた気がした。
勢いよく振り向く。
そこには口元を歪めたハルナがいた。
「似てた?またお姉ちゃんのことを考えてたんでしょ。顔がね、こんなに歪んでたよ」
ハルナら自分の顔を手で崩して笑う。
動揺してないのか?
自分の姉が死んだのに。
俺たちのせいで死んだかもしれないのに。
やり場のない気持ちがハルナへの怒りになって込み上げた。
「ミサトが死んだんだぞ?!どうして笑ってられるんだよ?俺たちの…俺たちの…」
「俺たちのせいで死んだかもしれないのに?」
あまりにも恐ろしくて口に出せなかったことを、いとも簡単に言ってしまう。
俺は無言で頷くしかなかった。
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