最終編

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携帯を手に取る。 一年前に買い換えた折りたたみ式の携帯だだ。 ハルナとお揃いのストラップが揺れた。 「早く出てよ、それうるさい」 さっきまで安堵したような表情だったが、今はありありと不機嫌さが滲み出ている。 切り替えの早いやつだ。 少し尊敬した。 俺はハルナが怒らない内に、と携帯を開けようとした。 そこでふと手が止まる。 ちょっと待て、こんな日に誰がかけてくるんだ? 俺は無意識に眉根を寄せた。
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