最終編

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出ないでおこうか? いっそ電源を消してしまおうか? 俺の中で悪魔が囁く。 携帯を握りしめたまま、応答しようとしない俺に痺れを切らしたハルナは、携帯を奪い取った。 「早くでなよ」 携帯を開ける。 画面に表示されたのは着信表示。 『ミサト』 あぁ、やっぱり。 警察が所持品を確かめた時に携帯を見つけ、身内である俺に電話してきたんだろう。 ドラマなどでよく見るシーンだ。 もちろん、当事者になる予定はなかったが。 几帳面なミサトのことだから、『夫 アリサカ ユウヤ』というように登録してたはずだ。 携帯を開けた本人は驚いたようだった。
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