最終編

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「ねぇ、聞いてる?」 「え?、ああ」 ハルナの声で現実に戻される。 「何て言われたの?ユウヤが、はい分かりました、とか言ってたから気になって」 気になるくらいなら、俺の代わりに出て欲しかったよ。 言ってくれれば喜んで電話を代わったのに。 ハルナに分からないよう、小さく溜息をついた。 「警察にこいって言われた。ミサトの所持品を引き取ってもらっても大丈夫だからって」 「所持品?別にいらないのにね」 「いや、でもそれは後味悪いよ。引き取ってくる。葬儀の話も進めないといけないから」 葬儀。 自分で口に出したけど、実感は湧かない。 ハルナも釈然としないようで、曖昧に相槌をうった。
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