最終編

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ともかく、自殺である可能性が消えた今では、俺が浮気していようが関係ない。 脅える必要などない。 ただ、それでもどこか靄がかっている。 俺が浮気していなければ、死ななかったんじゃないかと考えてしまう。 深い悲しみが俺を襲う。 ミサトへの愛はとうに冷めていたはずだった。 だから俺はハルナと暮らす決断をしたのに。 どうして無意識に俺の思考は、ハルナよりもミサトを求めるんだ… 確かに俺はハルナの自分勝手な部分も含めて愛していた。 ハルナとならこの先一生を共に過ごしていける、と思った。 だけど…だけど今もそうか、と聞かれると、俺は答えられない。 ミサトの死を知った時の応答。 ハルナは仲が良くなかったとはいえ、実の姉であるミサトの死を一切悲しまなかった。
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