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ふと目を落とすと、アイロンが置いてあった。
急いでいたのだろうか?
電源が点けっぱなしになっている。
急いで駅に向かうまで、ワイシャツにアイロンをかけてたのか…
そういや昔言ってたな。
洗って、ずっとタンスに放置したワイシャツは型崩れするからたまにアイロンをかけないと駄目、って。
もう、そんな面倒くさいことしなくていいのに。
別居したのに。
馬鹿だな、ミサト。
俺なんかのために、馬鹿だな…
視界の端がぼやけた。
俺はそれを振り払うように固く目を閉じ、開いた。
目の端から涙がつたうのが分かった。
ミサトが死んだ事に対する悲しみか、今でも俺を想うミサトへの哀れみか。
涙の理由は分からない。
だけど、いくら堪えても静かに流れ続けるのだ。
ともかく、一度ダンボールを置こう…
俺は机の上に抱えていたダンボールを置いた。
そして服の袖で力強く目元を擦る。
涙で腫らした目を、ハルナに見せたくなかった。
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