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頭がロクに回らないまま、俺は電話を切った。
ミサトが弁当を届けてくれていた。
それも、ハルナの名前を使って。
つまりミサトは…俺とハルナの関係を知っていた。
知った上で弁当を作り続けていた。
別居をしている今でも、会社には弁当が届き続けていた。
更に、俺に離婚を切り出されたあの日まで、ミサトはずっと俺と普通に接していたのだ。
信じられなかった。
胸が張り裂けそうで、どうしようもなくて。
一体、どんな気持ちで彼女は毎日を過ごしていたのだろう。
ミサトに謝りたい。
こんな俺を、こんなにも想ってくれていたなんて。
どうしてだ、どうしてなんだよ。
どうして俺なんかを選んだ?
ミサトにはもっと他に、もっと幸せな人生があったんじゃないのか?
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