5人が本棚に入れています
本棚に追加
「…やめて…もうやめて…おねがい…もうみたくないの…だから、ね?」
真っ赤な世界に二人だけの、特別な空間。二人だけの世界。二人っきりの世界。
嬉しい。楽しい。愉快だ。喜ばしい。心地良い。堪らない。素晴らしい。愛しい。狂おしい。
何て素敵な世界なんだろう?こんなに真っ赤なバラを敷き詰めた世界なんて、見た事も聞いた事もなかった。
僕は夢を見ているんだろうか?ああでも、こんな綺麗な景色を心行くまで見続けられないのは嫌だ。
じゃあ、これは夢なんかじゃない。夢じゃなかったら、これは何だろう?よく分からない。
「ねえ、僕と一緒に踊ろうよ!僕は君と一緒に踊りたい気分なんだ!アハハハハ!」
「嫌っ…嫌ぁ…!嫌あああぁぁぁぁっっっ!!!…あ」
…?あれ、おかしいな?あの子はどこへ行ってしまったんだろう?さっきまで目の前にいたのに。
「あ!こんな所にいたんだ!突然いなくなっちゃったからびっくりしたよ!ねえ、僕と一緒に踊ろうよ!僕は君と一緒に踊りたい気分なんだ!」
「嫌ぁ…!やめて下さい…!お願いしますっ!私に出来る事なら何でもしますからっ!!だから、殺すのだけはどう」
…?あれ、おかしいな?…おかしいな?おかしいな?
真っ赤な世界に二人だけの、特別な空間。二人だけの世界。二人っきりの世界。そうだよね?
嬉しい。楽しい。愉快だ。喜ばしい。心地良い。堪らない。素晴らしい。愛しい。狂おしい。くるおしい。
何で素敵な世界なんだろう?こんなに真っ赤なバラを敷き詰めた世界なんて、見たくも聞きたくもなかった。
僕は夢を見ているんだろう?ああ、こんな綺麗な景色を心行くまで見続けるのは嫌だ。
じゃあ、これは夢なんじゃない?これが夢だったら、この感じは何だろう?
「アハハハハ!…あはは、はは…」
…?あれ、おかしいな?あの子はどこへ行ってしまったんだろう?さっきまで目の前にあったのに。
「…あ!こんなところにいたんだね!…あれ、違った。なあんだ、バラか」
嬉しい。楽しい。愉快だ。喜ばしい。心地良い。堪らない。素晴らしい。愛しい。狂おしい。くるしい。
苦しい。
「アハハハハ!アヒヒヒヒ!あ」
バラ一杯の赤い世界に、花弁が一つおっこちた。
後には鎖の唸り声を残して。
最初のコメントを投稿しよう!