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内心そうとう焦っている。
僕はもともと目立たずクラスの輪のどこかでふわふわしてたかったのに、この顔ときたら、可愛いインテリともてはやされ、挙げ句の果てには『氷の王子』だって?
ただのオタク顔なのに。
「氷コンビのギャグは面白いらしい」
「吹雪じゃなく、春一番を連れてくるって!」
違います、私のギャグウィンドは寒いです、幽霊しか笑わさせられません。
と頭の中で言おうとも、この顔はそれをお首にも出そうとしない。
ええい、誰かどうにかしてくれ。
「モノボケか? 一人漫才か? 大衆の予想を裏切ったサイレント!?」
誰だ、周りを煽っているのは。女の子っぽい声だぞ。
「ちょっと待って」
立ち上がってみると四十人くらいに囲まれていた。恐っ。
「ちょっと通して」
通してもらおうとしたら道が綺麗に割れた。海わったモーゼもこんな気持ちかな?
「(三船君、起きて)」
同級生に踏まれて伸びてる三船君を揺さぶる。
「…無表情ショタホモ、良い!」
いや何一つ良くないよ委員長、無表情もショタも良くないし、一番ホモがよろしくない、せっかく綺麗な顔してるのに。
そもそも何を思ってその結論になったんだろう。
揺さぶって数十秒、三船君が気がついたみたいだ。
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