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「食べちゃダメだ、食べちゃダメだ、食べちゃダメだ、食べちゃダメだ…」
「誰か、平手に自信のある人」
野球部の背の高い栗原君が背中を思いっきり叩く。
「はっ」
「気づいてくれた」
「やったぁ、食べていいんだぁ」
「誰かビンタに自信ある人」
今度は林さんが立候補してきた。
「ビンタなら任せて」
あれ、この高校って変な人ばっかりだ。
林さんは三船君をしっかりと見る。
そして、腕をうしろに回した。
「…あ、あれは!」
別のクラスの実況オタクの笠間君が驚いている。他にもプロレスオタクとか格闘技好きが目を輝かせている。
林さんの腕は弓のようにしなり、三船君の頬に触れた瞬間にしなった力が入り、三船君の体が横に倒れた。
「ウィナー、ハヤーシ!」
無駄に強烈なシャウトをとどろかせて、笠間君は林さんの黄金の右を天高く上げる。
「記憶はある?」
三船君は僕を見て、親指を力強く立てる。
「大丈夫、わかってる! 俺は超古代レッセルタリア人の末裔って!」
「大丈夫って思える要素がないよ」
揺さぶると、今度こそ三船君は正気に戻る。
「こいつ、さっき笑ったんだけど、それがまたさっ、すっげぇ可笑しいの!」
「「「わ、笑った!?」」」
みんなが驚いている。
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