少女軟禁

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 自分の性別が分かったところで、ここはどこなのだろうと改めて考える。 「……誘拐、監禁。いや、軟禁?」  その言葉が思いの外、わたしの内にある何かを強く掴んだ。ピンときた、とでも言えばいいのだろうか。  軟禁かぁ……そっかぁ……。  困ったなぁと思いながら、足を振り子のように前後に振る。筋肉痛のように痛む身体の節々が悲鳴を上げたので、すぐに止めた。身体が重い上に、頭も重い。腕や足を見る限りだと体重は軽そうだが、今言っている重いとはそういう重さとは違う。  とてもアクティブに動けるようなコンディションではなかった。軟禁されているんだと断定しながらも、身体がこの場から逃げようとしない。  食事は出るし、机の上にあるゲームや本といった娯楽品が、わたしの危機意識を薄れさせているのかもしれない。  立ち上がり、カーテンの隙間から外を覗く。上を見ると、太陽は高いところまで昇っていた。  下を見ると、こっちはこっちで高い。この部屋があるのは二階……いや、三階かな? とてもではないが、飛び降りれるような高さではなかった。  どうしたもんかなぁ。覚えていないけど、わたしにはわたしの生活があったはずだ。ここを出ない限り、その生活を取り戻すこともできない。  わたしの家族は心配してくれているだろうか。いるか知らないけど。  わたしの友達は心配してくれているだろうか。これもまた、いるか知らないけど。  わたしの彼氏は心配してくれているだろうか。これはいたらいいなぁという願望。  思い浮かぶのは光に満ち溢れた薄っぺらい光景ばかりで、沸き上がる欲望に不快感を覚える。  どれもこれも生温かくて気持ち悪い。
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