プロローグ

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「はぁ…」 冷たくなった手に息を吹きかけた。 気づくともう冬が来ていた。 7時なのにまだ薄暗い。 俺は、都内の高校に通う2年生の山井 吹雪(やまい ふぶき)。 吹雪というのは冬に産まれたからではない。 俺は4月3日生まれだ。 なぜ吹雪なのか未だにわからない。 両親共に他界し、兄弟もいない。 だから6年間ひとり。 親戚は俺が嫌いらしく誰も首を縦に振らなかった。 寂しいとは思わない。 自由に過ごせるからだ。 夜遊びはもちろん、酒やタバコに手をつけても怒られない。 それがよかった。
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