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「と言う事は、鈴木太郎には、熱狂的なファンがいた事になるな。それとも、恋人か?しかし、その群衆の中で、相手に聞こえる程の声を出して呼ぶとはかなりの勇気がいただろな。しかも、昭和四十三年生まれで高校生のカップルなんて、珍しい。現代ならまだしも。」
と織田教授は、目を閉じて高校時代の自分と比べていた。
「しかも、小中高と十二年間、苛められてきた人間ですよ。下手をすれば、その女性だって、苛められる危険があるのに、恋の力と凄い。私もそんなに恋されたいですね。」
と豊臣准教授は、鈴木太郎を羨ましいそうに思いながら話した。
「それに、苛められてる割りには、部活動も盛んにしです。小学校時代は野球部。中学校時代は、バスケットボール部。高校時代は、相撲部活動と。中学校時代のバスケットボール部と高校時代の相撲部はレギュラー選手だったそうです。普通、苛められていたら、部活動なんて出来ない筈なんですけど。本当に、不思議な人間ですよ。鈴木太郎は・・・。」
と豊臣准教授が言い終わり、織田教授を見ると、織田教授は目を閉じ、首を左右に振りながら、念仏を唱えてるかのように、口を動かしていた。
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