2人が本棚に入れています
本棚に追加
「コン、コン。豊臣です。昨日、彼の、いや、鈴木太郎の周辺調査から戻りました。織田教授、入ります。」
と、豊臣准教授が織田教授の部屋に入ると、織田教授は自分の机に座って、まるで恋人が訪ねて来るのを待っているかのかのように目を輝かせていた。
「どうだったかね、豊臣君。何か、鈴木太郎について面白い発見があったのかね。」
と、更に織田教授は目を輝かせて豊臣准教授の見つめながら、豊臣准教授の発する言葉を一字一句を聞き漏らさないと言う態度で、豊臣准教授が話し始めるのを待っていた。
「では、報告します。まず、彼の名前は、鈴木太郎。年齢は織田教授と同じ、四十三歳。秋田県秋田市で公立の小中高と卒業したのち上京しました。現住所は千葉県市川市。職業は、サラリーマン。婚姻歴は無し。家族両親・妹・弟の五人家族です。まぁ、普通の家庭で普通に育ったと言う事なります。」
と一旦、豊臣准教授は言葉を切った。
「何っ‼彼と、いやっ、鈴木太郎と私と同い年だとっ‼普通の家庭で育ったのかね。普通のぉ。そうか、普通に家庭でぇ~」
と、織田教授はちょっと、驚きそして拍子抜けた表情で言ったが、それでも豊臣准教授の話の続きに期待した。
最初のコメントを投稿しよう!