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次の日から、豊臣准教授は、織田教授に頼まれた男の調査を始めた。最初は、彼の住所から近所そして、勤め先。
そして、始めて、一週間後には、彼の故郷の秋田まで、足を延ばした。
「世の中は平等ではない。」
豊臣准教授は、彼を調べるにつれ、彼を知れば知る程、この言葉が骨身に染みた。しかも、この言葉が口癖ように呟いてしまうようになってしまった。
そんな事は、彼に出会う前から判ってるつもりだったし、社会に出れば、いやっ、今っ、大学教授達の派閥に巻き込まれていると嫌と言う思うほど思い知らされる。
しかし、彼と私の差とはそれとは違った。その差とは、地球人と宇宙人の差とくらい違う言う事だ。
彼とは、鈴木太郎。
年は織田教授と同じ、四十三歳。独身。身長百六十五センチ。体重八十五キロ。お世辞にも格好良いと言えない、ぽっちゃり体形。が、体の割りには小顔。小顔の割りには目が大きい。とにかく、目が大きくて、あの懐かしいぬいぐるみ「モンチッチ」のような目だった
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