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PSPをしている三成を尻目に料理をする。・・・やばい、視界にずっと三成が居る気がする。
「・・・大和?」
「っ、家康か・・・」
「どうした?ぼんやりしている様だが」
じ、と家康に見詰められる。・・・心配してくれてるのか。
「優しいなぁ、家康は・・・」
「うわ、大和・・・!?」
ぎゅうと家康を抱きしめる。ちょっとゴツいけど抱き心地がいい。
「家康ー、家康かわいい」
「大和・・・!!」
「んー?」
「料理が、焦げるぞ!!」
あぁ、そうだった。料理してんだった俺・・・今日のメニューはハンバーグです。
「離れたくない」
「大和・・・」
抱きしめていた所を離され、無理矢理フライパンの方を向かされる。むむ、そんなに嫌だったか?それとも俺よりハンバーグが大事か!
「・・・こうすれば、いいだろう」
肩に手を回され、後ろから家康が抱きしめて来る。
「い、家康?」
「どうした、大和?」
「・・・家康って、そういう奴だよなぁ・・・」
ここでは大人しいししおらしいから油断していたけど・・・彼は権現だ。さすが権現様。
「俺どっちかっていうと抱きしめる方が好きだー」
「それは仕方がないだろう、大和の手は塞がっているんだから」
抱きしめられるのも嫌いじゃないけど・・・何となく、いつもとは違う家康にドキッとしてしまった。
「家康、お皿取って」
「あぁ」
そう言って家康が離れた後、思わず鏡で自分の顔を確認した。
「ほら、これでいいか?」
「あ、あぁ、うん!」
必死で顔を隠しながら、皿を受け取る。
・・・そこには、熟れたトマトみたいな俺がうつっていたから。
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