154人が本棚に入れています
本棚に追加
「大和!!これは凄く早いな・・・!!」
「うん、そうだね」
電車なう。あの電話の後二人に話して会社に連絡して用意して・・・色々してたら寝れなかった辛い。二人が居るから電車でも寝れないしね。
「木代、この乗り物は何だ・・・!!」
「電車だよ。馬の何百倍くらい早いしこいつ疲れないから超凄いの」
「何だそれは!!どうなっている!」
・・・田舎行きのマイナー路線でよかった。回りに人居ないし、ちょっとくらい騒いでも大丈夫だ。
「・・・本当に、未来とは凄いんだな」
「うん、人間は進化するものだよ」
「・・・大和・・・」
「家康?」
なんとなく物憂い気に外を見詰める家康。・・・どうしたんだろう?
「大和は、その・・・過去に、というかワシ等の時代についてどう思う?」
「どう、って」
家康、いきなり何を言っているんだろう。
「・・・つまらない現代より楽しそう、だと思ってたよ」
「つまらない、か。大和にはこの世界がつまらなく見えるんだな」
ふ、と家康が少し笑う。その笑みに、なんだか少しだけ恥ずかしくなった。
「だって、会社に行って帰ってまた会社に行って帰って・・・ずっとその繰り返しだもん。今は違うけど」
そう言うと、窓の外を見ていた家康がこちらに視線を移した。三成は相変わらずこのスピードに戸惑いつつ外を見ているけど、こちらに耳を傾けているのがわかった。
「今は、二人が居てくれるから楽しい。凄くね」
悪戯っぽく笑ってやると、家康も笑った。三成は、満足したのかどうなのか、ぴくりとも動かずだ。
「・・・二人が、か」
「ん?三成どうかした?」
「・・・腹が減ったと言ったんだ」
「あぁ。・・・家に着いたら、きっとおいしいご飯が待ってるよ」
俺が作るご飯なんかより、ずっとおいしいだろう。
・・・帰りたくない、って言われたらどうしようかな。
最初のコメントを投稿しよう!