お嬢様、仕事でございます

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河野守生(コウノ モリオ) それが俺の名前で、俺はとある屋敷でお嬢様のお世話係をしている。 世間一般には「執事」というらしいが、お嬢様がそれを嫌うので俺の職業は「お嬢様のお世話係」のままだ。 そしてこのお嬢様と言うのが… 「コウモリ!」 俺を呼ぶ可愛らしい声がした。だが、言いたい。俺はコウモリではなく河野守生だと。 「はい、お嬢様。何でしょう?」 振り返れば、美しい少女がいる。我が主…アルタお嬢様だ。どんな黄金にも負けないくらいの美しい金髪は長くたなびいて、白魚のような手足は今はドレスに隠されている。 そんなお嬢様は湖のように綺麗な瞳を見開いて、整ええられた眉を吊り上げ俺を睨んでいるではないか。 「何でしょう…じゃないわよ!アンタ今日の日程忘れたとは言わせないわよ!」 「…ええ。ご安心を。今日は山田家のご当主です」 俺は頭にインプットされてるデータを伝えた。
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