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詩音「ただいま。」
返事はない。両親は夜遅くまで仕事で帰らない。
俺はコンビニで買った飯の入った袋を片手に、二階の自分の部屋のドアを開けた。
*「あっ、詩音お帰りー。遅かったね。まぁ急にバイト入ったんだから仕方ないか。あーあ、行けばよかったなぁ。」
詩音「…ゆず、来てたのか。」
自分の部屋のように俺のベッドに寝転び、俺の雑誌を読んでいるのは、隣の家に住んでいる松浦ゆずだった。
ゆず「驚いた?ていうか、詩音の部屋って相変わらず何も無いね、つまんなーい。」
詩音「来るならメールぐらいしろよ。しかも、また留守中にあがりこんだのか?」
ゆず「いいじゃん、別に何か盗んだりしたわけじゃないし。昔からでしょ?」
俺とこいつの家は、昔から近所付き合いが良くて、俺が幼い頃から家を空けることが多かった両親に代わり、こいつの母親が家事をやってくれる程仲が良かった。
だから、お互いに合鍵を交換するほど信頼しあっていた。
だから、今はゆずがその合鍵使って俺の家に…いや、俺の部屋にあがりこんでいる。
詩音「そうだったけど、それは昔の話だろ?今ではお前も高1だし、何かと勘違いされるだろ。」
ゆず「別にもう慣れたし、勘違いするほうが悪いんじゃん。」
そういうとゆずはまた雑誌の方へ視線を戻した。
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