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詩音の携帯が鳴った。
それはいたっていつもと同じ、何も変わらない。
ただ、一つだけ、いつもと違ったことがあった。
詩音は、メールを読んで…優しく笑った。
ゆずにしか見せない、いや、ゆずにも最近見せたことないぐらい優しく、その画面の向こうの誰かに笑いかけた。
……ムカつく。
相手は誰って聞くと、女子だって。
しかも、自分からメアドを教えたんだって。
…ムカつく。
詩音は、今まで誰からのメアドも受け取らなかった。
ゆずでさえ自分からメアドを聞いた。
なのに、そのマネージャーには、なんで自分から教えたの?
それは部活が同じだから?それとも……。
……ムカつく。
ゆずが一番長い間詩音を見てる。
詩音は、ゆずのものだから。
誰にも詩音に近づいてほしくない。
だから…ゆず、頑張るね。
待ってて、詩音。
絶対、絶対絶対絶対絶対!!
その子より頑張るから。
だから、昔みたいに……
“ゆずだけを見てて”
END
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