1.始まり

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松本は、部活帰りに赤坂に呼び止められ、ジョイフルへと連れてこられていた。 赤坂「ねぇ。」 松本「……。」 赤坂「ねぇってば!!」 松本「…ん~?」 赤坂「ん?じゃないでしょ!!ちゃんと話聞いてた!?」 松本「聞いてたよ。」 赤坂「いや、絶対聞いてなかった!だって聖寝てたじゃん!!」 松本「聞いてたって。」 赤坂「じゃあ、私何の話してた?」 松本「あのっ、あれだろ?あの~えっとぉ……。」 赤坂「ほらっ、やっぱり聞いてない。」 松本「……ごめん。」 赤坂「まっ、部活で疲れてるのはマネージャーとして見てても分かるんだけど、幼なじみの真剣な悩みぐらいちゃんと聞いてよね。」 松本「…はいはい。」 そう言うと松本は、目の前のメロンソーダを飲んだ。 松本「で、何の話だっけ?」 赤坂「この前話したじゃん。ほらっ、ちゃんと聞いてくれたんでしょ?」 松本「……なんだっけ。」 赤坂「まさか聞いてくれてないの!?」 松本「…ごめん。」 赤坂「まぁ、いいよ。明日自分で聞くから。」 松本「…なぁ。あいつはやめとけって。」 赤坂「ん?なんだ、やっぱ覚えてたんじゃん。」 松本「おまえ以外にあいつのこと気になってるやついるし。部活だけじゃない、他の女子だって…。」 赤坂「そんな事分かってるよ。でも、可能性が無いわけじゃないでしょ?」 松本「だけど…… 赤坂「ダメならダメで、諦めればいいんだから。」 松本「……そうだな。」 赤坂「でもね?この前の試合の時、石田先輩がシュート決めたでしょ?その時ね、私の方向いて笑顔で手を振ってくれたんだよ!これって、少しは期待してもいいんだよね?」 松本「他のやつに手を振ってたんじゃねぇの?」 赤坂「もぅ、そんなこと言わないでよ!」 そういうと、麻衣はうつむいてしまった。赤坂「そんなの…聖に言われなくても分かってるよ。」 松本「……いや、きっとお前に手を振ったんじゃね?」 赤坂「…本当にそう思う?」 松本「…あぁ。」 赤坂「本当!?良かった!!…そういえば、さっきからずっとしゃべってるね。」 松本「そうだな。」 赤坂「喉乾いたね!あっ、聖のジュースも無いじゃん。入れてきてあげるね。」 松本「あっ…あぁ。」 赤坂「またメロンソーダでしょ?」 松本「…うん。」 麻衣は聖の方を向いてニコリと笑うと、コップを持って席を立った。
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