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松本は、部活帰りに赤坂に呼び止められ、ジョイフルへと連れてこられていた。
赤坂「ねぇ。」
松本「……。」
赤坂「ねぇってば!!」
松本「…ん~?」
赤坂「ん?じゃないでしょ!!ちゃんと話聞いてた!?」
松本「聞いてたよ。」
赤坂「いや、絶対聞いてなかった!だって聖寝てたじゃん!!」
松本「聞いてたって。」
赤坂「じゃあ、私何の話してた?」
松本「あのっ、あれだろ?あの~えっとぉ……。」
赤坂「ほらっ、やっぱり聞いてない。」
松本「……ごめん。」
赤坂「まっ、部活で疲れてるのはマネージャーとして見てても分かるんだけど、幼なじみの真剣な悩みぐらいちゃんと聞いてよね。」
松本「…はいはい。」
そう言うと松本は、目の前のメロンソーダを飲んだ。
松本「で、何の話だっけ?」
赤坂「この前話したじゃん。ほらっ、ちゃんと聞いてくれたんでしょ?」
松本「……なんだっけ。」
赤坂「まさか聞いてくれてないの!?」
松本「…ごめん。」
赤坂「まぁ、いいよ。明日自分で聞くから。」
松本「…なぁ。あいつはやめとけって。」
赤坂「ん?なんだ、やっぱ覚えてたんじゃん。」
松本「おまえ以外にあいつのこと気になってるやついるし。部活だけじゃない、他の女子だって…。」
赤坂「そんな事分かってるよ。でも、可能性が無いわけじゃないでしょ?」
松本「だけど……
赤坂「ダメならダメで、諦めればいいんだから。」
松本「……そうだな。」
赤坂「でもね?この前の試合の時、石田先輩がシュート決めたでしょ?その時ね、私の方向いて笑顔で手を振ってくれたんだよ!これって、少しは期待してもいいんだよね?」
松本「他のやつに手を振ってたんじゃねぇの?」
赤坂「もぅ、そんなこと言わないでよ!」
そういうと、麻衣はうつむいてしまった。赤坂「そんなの…聖に言われなくても分かってるよ。」
松本「……いや、きっとお前に手を振ったんじゃね?」
赤坂「…本当にそう思う?」
松本「…あぁ。」
赤坂「本当!?良かった!!…そういえば、さっきからずっとしゃべってるね。」
松本「そうだな。」
赤坂「喉乾いたね!あっ、聖のジュースも無いじゃん。入れてきてあげるね。」
松本「あっ…あぁ。」
赤坂「またメロンソーダでしょ?」
松本「…うん。」
麻衣は聖の方を向いてニコリと笑うと、コップを持って席を立った。
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