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松本「…はぁ、言えるわけないだろ。」
本当は、麻衣の頼みだと思って石田先輩に聞いたんだ。
“好きな人はいますか?”
こんな質問を後輩からされたら、冗談半分で受け流すのが普通だって思ってた。
でも…あいつは違った。
質問をした後、石田は少し考えて、いつもの笑顔で俺に言ったんだ。
『好きな人だろ?いるよ。でも…君もいるんだろ?』って。
どういう意味ですかって聞いたら、お互い頑張ろうな…だって。
ほんとふざけてんじゃねぇぞ!!あの野郎!!
赤坂「はい、メロンソーダ。」
松本「あっ?あぁ…ありがとう。」
麻衣は松本の目の前にコップを置くと、自分はココアのカップを両手で持って言った。
赤坂「私、明日先輩にメアド聞いてみようと思うんだ。」
松本「なっ!?」
赤坂「だから、応援してね。」
松本「あ…あぁ。」
麻衣は頬を赤らめ、ココアを口に含んだ。
そんな麻衣を見ていた松本は、メロンソーダのストローをくわえたまま苦笑いを浮かべ、明日どうやってこいつと石田を会わせないようにするかを考えていた。
END
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