2.部活

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ジョイフルで麻衣がメアドを聞くと聖也に伝えた次の日の放課後。 麻衣「あ~もう!せっかく覚悟決めてきたのにぃ。何で昨日教えてくれなかったの?」 聖也「ごめんごめん。すっかり忘れてたんだよ。」 麻衣「ほんと最悪!今日に限って先輩が部活に来ないなんてぇ!!」 聖也「仕方ないだろ?たまたまバイトが入ったんだって昨日の部活で言ってたんだよ。」 麻衣「はぁ…つまんないなぁ。」 聖也「そんなこと言うなよ。じゃあ、俺練習してくるから、マネージャーの仕事しっかりしてろよ。」 麻衣は一言「分かった」と力なく言うと、がっくりと肩を落とした。 聖也は、そんな麻衣を気にしながらも、すでに練習を始めていた部員のもとへと向かった。 昨日麻衣とわかれた後、どうやったらメアド交換を阻止できるのか頭を悩ませていた聖也だったが、ふとあることを思い出した。 それは、その日の部活でのことだった。 いつもは部活が終わった後アルバイトに行っていた詩音だったが、たまたまバイトの時間が早くなってしまったらしい。 おかげで、今日の部活に来れないと他の先輩に詩音が伝えていたのを聖也は聞いていたのだ。 だから、今日麻衣が部活で詩音に会うことはもう無い。 つまり、メアド交換は行われない。 とりあえず聖也にとっては考える時間が一日延びたというわけだ。 せっかくの計画が台無しになった麻衣とは違い、聖也はいつも以上に機嫌がよかった。 加奈斗「おい、聖也。今日なんかいつにもまして張り切ってるな。いいことでもあったのか?」 聖也「フフッ、まぁな。」 練習が始まってから20分ほど経ち、休憩をしようと聖也は麻衣を探していた。 いつもだったらマネージャーが水とか、何か飲み物を用意していることもあったが、今日は無いらしい。 肝心のマネージャーがあの状態なら無理もない。 聖也「…仕方ない。なぁ、俺冷水飲みに行ってくるわ。」 そういうと聖也は冷水機へと向かった。
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