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聖也「…くそっ!自転車置場じゃねぇ。だったら…校舎裏か?」
あそこだったら下校する生徒にも見られないし、人もあまり通らない。
聖也はまた全力で走りだそうとした。
麻衣「あれ?聖、こんなところで何やってるの?」
ふと声がした方を向くと、さっきとは打って変わって明るい顔をした麻衣がいた。
そして、その数歩後ろから詩音が歩いてきていた。
聖也「お前こそ、どこで何やってたんだよ!!」
聖也は、麻衣に向かって大声で言い放った。
麻衣「そっ…そんなに起こらないでよ。部活を勝手に抜けてたのは悪かったって。」
聖也「そんなことどうでもいい!お前なぁ……
詩音「俺が麻衣ちゃんに用があったんだ。」
麻衣と聖也の間に詩音が割って入った。
麻衣「…石田先輩。」
詩音「俺が麻衣ちゃんを連れ出した。麻衣ちゃんは何も悪くない。だから…怒鳴るなら俺を怒鳴れ。」
詩音は麻衣を少し気にしながらそう言うと、聖也の方を向き、いつもの笑顔からは想像できないほどきつく聖也を睨みつけた。
聖也「……ちっ。戻るぞ、麻衣。」
麻衣「えっ?でも…。」
麻衣は詩音の方を向いた。
詩音は表情を変え、いつもの笑顔に戻り、麻衣を見つめた。
詩音「ごめんな、麻衣ちゃん。俺のことは気にしなくていいから、これからバイトだし。じゃあ、また明日ね。」
赤坂「はいっ!また明日。」
詩音「聖也も、また明日な。」
聖也「…お疲れした。」
詩音は、自転車置場へと歩いていった。
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