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だから僕は彼女が望むままに、僕の一日を話した。
何もない、ゆっくりと時間の流れる平和な日常だ。
身体中が痛かったり、疲労からの眠気が酷かったりするけど、僕はそれが楽しい。
そんな話をした。
僕の話を聞き終えた彼女は、子供が太陽を欲しがる様な瞳で、僕に訊ねる。
「君は、動物と言葉を交わしているよね?彼等の言葉が分かるのかい?」
僕は溜め息を吐いて、その問に答える。
「いえ、はっきりとは分からないんですけど、何となく分かると言いますか……」
彼女の納得する答が言えたのだろうか。
不安に駆られて彼女の顔を伺ってみると、宝物でも見つけた様な瞳をしていた。
「そうか、君は、君は、凄く素敵な特技を持っているんだね」
農家には重宝しますねと僕が笑うと、彼女も笑って、そうだね、と笑った。
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