【第1章 人生の転換期】

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良治は双奈月学院に通う高等部一年生。 青い立った髪に整った顔立ち、身長は170〓ぐらいで、そして周りの者を引きつけない黒い鋭い瞳、右腕には腕時計をして、いつも一人で教室の机で本を読んでいる。 それが良治のライフスタイルであって、これは小学校の頃から変わらない。 良治は小等部の頃から人とあまり話さなかった。 いつも本ばっかり読んで、そのためいじめとかもあったが、良治はそんな連中を全員ぼこぼこにして、もう二度とよってこないようにした。 だからそんなにいじめに対して恐怖心を持っていなかった。 当然だ。 人間は自分より弱い人間を自分に被害が及ばずして攻撃するのが大好きである。 つまりは相手になめられたらいえないということを良治は幼稚園の頃に知って、以来自分を攻撃するものは容赦なく叩き潰してきた。 そのあまりにも冷たすぎる瞳と感情が無いかと思うほどの冷徹さに、同級生だけでなく教師や周りの大人達までもが彼を恐れた。 だが心が鬼なのではなかった。 感情に疎いわけでもなかった。 実際にはとても優しいやつである。 ただ現実に退屈していてあまり人と話すのが面白くなかったから小説の世界に入っていた。 たまに学年キャンプや修学旅行といったものがあったが良治にとってそれらは苦行でしかなかった。 そうしているうちに双奈月学院の中等部に進級した。 しかし小等部時代があまりにもひどかったため、良治は全く変わらない学院生活を過ごしていた。 いつしか友達を作る事そのものがどうでもよくなっていた。 どうせ友達なんて上辺だけの存在、そんなものに頼ったって意味が無いと良治は考えていた。 そしてそのまま中等部生活も終わり、良治は高等部に進級した。
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