Adult Magic ~アダルトマジック~

甘い毒リンゴはお好き？

古びた建物の、薄暗い階段を駆け上り、とうとう家の前に着いた。

いつもなら、すぐに扉をあける今日はちょっと違うのです。

どうしても確かめるべき、大切なことが一つ、郵便受けのポストの中に。

ドキドキドキ…

緊張して、手の震えがひどくなってしまう前に、ポストのふたを勢いよく開けた。

白い封筒、白い封筒、

……お願い神様…！！！

そっと中を覗き込んでみる。

次の瞬間、心の中でわくわくと弾んでいたスーパーボールのような気持ちが

シュンッという音を立てるようにして消えてしまった。

「ああ…無いや…」

白い封筒が、ない。

ここ何日か、何度も何度も想像して、イメージをふくらましてきた白い封筒。

本当に白かどうかさえ、実際にわからないままになってしまった。

そうかぁ、ないのかあ。

頑張ったんだけどなあ。

しゅん、とする。