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えぇ、誰っ!?
口をパクパクとさせて、中途半端なポーズのまま、固まっている私の前には
スーツを着てビシィット立っている、若い紳士が。
右手には、謎のステッキ。
左手には、シルクハット。
どう考えても只者ではない。
この人は、いったいどうして私の家に、堂々と立っているんだろう。
「あのう…どちらさんでしょうか」
「これはこれは、申し遅れました。わたくし、王宮の魔法学園からの使いの者でございます。突然の訪問、どうぞお許しください」
そう言って彼は、深々とお辞儀をする。
「それで、王宮からの使いのあなたが、こんな貧乏人に何のごようでしょうか…?」
おろおろとする私を見て彼は、
「なんと、まあ」
と呟いて、信じられないという顔をした。
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