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「まだ何もご存じないのでございますね。あなたがつかんだ素晴らしい幸運を…」
そう言って彼は、魔法を使って右手にポンっと何かを出した。
それを私に差し出すと、私の眼はたちまち驚きで真ん丸に。
白い封筒だ。
あれだけ恋焦がれていてかなわなかった封筒を、この人はいとも簡単に出してしまった。
これが夢ではないっていうのは分かるんだけど、さっぱり状況がつかめない。
「うわあ。開けてみます…」
「はい、ゆずゆ様」
とりあえず封筒を受け取って、そっと封を開けてみた。
その途端、きらきらっと細かい光の粒が飛び出してきて、まるで万華鏡のように宙に模様を描いている。
その光が、ゆっくりと低い声で話し始める。
「ゆずゆ様、おめでとうございます。
世界最高峰の、魔法学園への入学を許可いたします。
あなたに秘められた才能と魔力を、十分に発揮されることを期待しております。
魔法学園 教師一同より」
光がしゃべり終わった後、スーツの紳氏はステッキを使って、光の粒を封筒にしまいこんだ。
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