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わ、私が魔法学園にーっ?
嘘だよね。冗談だよね。
あまりのショックで幻を見てたらどうしよう。
魔法学園は、トップの魔法使いたちが集まるところ。
いまだに魔法を使えない私が入ったところで、何ができるというんだろう。
これは大変、史上最強の大ピンチ。
「無理です、無理です、無理無理無理!」
頭を横に振りながら、手紙を丁重にお返しした。
「あのですね、やっぱり何かの間違いだと思うんです。
本当に申し訳ないです…」
ぺこぺこと頭を下げる私を見て、スーツの紳氏はきょとんとしているだけだった。
「何をおっしゃっているのやら。
選ばれた以上、逃げることなどできませんよ。
さあ、時間もないことですし、そろそろ行きましょう」
そう言って、彼は私にステッキを向けた。
そして大きく円を描いて「魔法学園、例の部屋」とつぶやいた。
「今からですか!?ま、待って…」
最後まで言い終える前に、たちまち目の前が真っ暗になった。
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