始まり

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まぁ、言ってない俺がわるいんだけど… クリード側に感づかれると困るからだ。 「花宮は1人なるけど平気か?」 花「当たり前じゃない」 肩にかかって髪を右手で払う。その様はまるで余裕とでも言うような。  ま、念のために日向をむかわせよっと。 「んで、あっちはいつ動くわけ?」 花「日向が言うには2日後。まぁ、あいつの言うことだから本当かどうか知らないけど」 フイッと意味ありげに首を振る。 バレないようにっていっても花宮は日向に何度も殺されかけているから、信じろって方が無理か。 「場所は?」 花「日野宮神社と緑が丘公園」 「案外、近いわけね」 俺は2つとも行ったことがある。数回だけど。 ここからそう遠くない。 俺にも家族は居るし、月村とはずっと一緒だった。 花宮には自立して高校に入ってすぐに1人で暮らし始めたとか。 俺も高校に入って1人暮らし、ってか月村と2人暮らし。大学はもう決まっている。 花「で、あなたが欲しい方は緑が丘公園」 月「というか、場所が近すぎませんか?」 花「えぇ。2つの場所が近すぎてどちらかが一方が負ければ応戦できる」 「つーことはあれだな。花宮か俺が負ければクリードに殺られるっわけね」 月村は俺のそばでいつも通り立っている。 花宮は足を組んでのんびりと紅茶を飲み進めていた。 花「あなた、もしかして負けるつもり?」 「まさかっ」 ハッっと鼻で笑ってやると、花宮は満足げに微笑んで見せた。 花「あと、あなた忘れてるみたいだけど」 花宮が思いだしたように言う。 紅茶を置き、カチャと少しだけ音がした。 花「快のこと忘れてるんじゃない?」 「あ……」 月「はぁ…」 完全に忘れていた。
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