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「月村ー。明日、花宮の昼飯作ってやれよー」
月「はい。」
「あいつ、怪我ちゃんと治ってなかったし」
見た目はあの時していた包帯も取り、元気そうだったがいろいろとあいつにしては不十分だった。
あの様子じゃ足はまともじゃないらしい。
足取りが重かったし、癖なのか何回か足を組み直すたびに少しだけ顔をゆがめていたのだ。
月「日向とは連絡を取らないんですか?」
「んースパイだからな。あんまり、な?」
月「そうですね。で、あなたは快を疑っていると」
「まぁな。って言っても花宮も白じゃないんだけどさ。月村がスパイってこともありえるだろ?」
わざとじみた声を出して少し笑ってみせた。
月「は?」
「あ、魔物だしあやしいかもなー!」
月村の外見は人だけど、ほんとは魔物なのだ。
いつも人型で俺のそばにいるけど、たまに疲れて魔物の・・・本性を現す。
本性といってもゴールデンレトリバーぐらいの大きさの真黒な狼の姿だ。
俺が見たのはその形。本当の形がどんなのかは知らない。
本人曰くその姿が楽らしい。
月「そうですね……」
少し間があったが、次の瞬間頭を両手でつかまれた。
「いてぇ…」
月「私がスパイでしたらとっくにあなたを殺してますよ。そして宝でも奪って逃げているでしょうね」
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