始まり

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月村は何も言わず立ったまんまだ。 俺は月村が夜をどう過ごしているのか知らない。知る必要がないのだ。あいつへの信頼はあるし、生意気だけど1番俺に尽くしてくれている。 部屋に入って部屋着に着替える。バサッと今まで着ていた服をそこに置いたままにした。 「今日もつかれたなー」 俺はベッドに倒れこむ。 ベッドの横には小さな窓がある。そこから空が見える。俺はいつもこうして空を見ながら眠りにつく。 「――!?」 ドクンと心臓が鳴った。体が熱くなり呼吸が浅くなる、心臓が痛い。むしりとりたくなる。 「く…っそ」 呪いの発作がこうしてたまに起きる。呪いが強くなっていくと、発作ではなく苦しんで苦しんで死がやってくるらしい。俺はそれを止めたくて聖書を集めているのだ。 「――ハァ、ハァ……」 脱力して天井を見上げる。そのまま窓の外を見た。image=441768512.jpg
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