3人が本棚に入れています
本棚に追加
「あいつの夢、か…」
月「どうかされましたか?」
「いやっ」
笑って月村の後を追いかける。リビングに行けば出来たての昼食がテーブルにあった。
椅子に座って用意されていたお茶を飲む。
「つーか俺、昼まで寝てたのな」
月「お疲れだったんでしょう」
「まー、あいつの夢見るぐらいだからな」
彩南と思い出はたくさんある。その中で1番すぐに思いだせるのは中3の夏休み。
俺の親友であり、彩南の恋人だった涼太と彩南と3人で行った夏祭り。
涼太は生まれつき体が弱くて、涼太の親にはあまり激しい運動はさせないようにって言われてきた。
涼太が心臓病だと知ったのは中2の時だった。
中1の時はお互いに何も知らずに、仲のいい友達で過ごしていた。
親友と断言していい程に仲良くなったのは心臓病だと知った後からだ。
俺が彩南を好きになったのは入学式の時だった。よくわからないけど、なぜか気になっていつのまにか目で追っていた。
誰にもそれを言わなかった。もちろん、涼太にも。
月「仕方ないですよ。それより早く食べてください」
「ういーっす」
――あの時、涼太が彩南と付き合うと言った時、ひどく後悔したんだ。
俺が彩南を好きだって言っとけば、変わっていたのかもしれないと。
最初のコメントを投稿しよう!