守りたかったもの

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それでも俺は2人が幸せになることを望んだ。 たとえ涼太の命が20歳までだとしても...... 2人が付き合いだしたのは中2の終わりだった。 この時以上に親友という立場を恨めしく思ったことはないだろう。 自分でもよく幸せを願うだとか綺麗事を思ったものだ… 彩南は涼太が心臓病だって知っていながら告白をOKした。 中3にあがって初めてのデートをしたらしく遅いなって笑いあった。 その時の笑顔は心の底からのものだった。2人が笑えるのならば俺はもうそれでよかった。 そして…夏祭り 俺を誘ってきたときは正直断ろうと思ったのに... 彩南が泣きそうになるもんだから一緒に行くことにした。 「なー、月村ー」 月「はい」 月村はキッチンで花宮への飯を作っていた。俺はその背中を見ながら飯を口に運ぶ。 「なんでもねー」 月「子供ですか」 「うるせーよ」 俺が何を考えているのか、何を思っているのか。きっと月村にはバレている気がする。 俺がわかりやすいとかではないと思いたい。
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