守りたかったもの

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あいつはいつ気づいたのかわからないけど、俺が彩南を好きだと気づいたからこんな手紙を書いたんだろう。 だから俺はその約束を果たしたいのと、彩南が好きだから傍にいて好きだと言って、守ると決めた。 でも、彩南に好きだって言えば困った顔で何も言えなくなる。 俺はそれを知っていて尚も好きだと言っている。 その理由はやっぱり涼太との約束があるから。 今までの事を思い出さなくてもいい。 俺との思い出も全部、忘れていい。 だけど俺が彩南を幸せにするんだ。涼太の分も。 彩南に好きになってもらうために、わかってもらうために。 俺は彩南に何回も想いを告げるんだ。 月「遅いですよ。」 「わりぃ!んじゃ、行くか!」 彩南は1人暮らし。小さい時に両親を事故で失い、施設に入ったいた。 高校からは迷惑をかけると言って1人で暮らし始めたらしい。でも、教材費とかは出してもらってるとか。 月「全く…何を考えているのか丸わかりですよ。」 俺の額を人差し指でコツンと突いた。 「いてっ。…別にいーんだよ。あーまた学校が始まるなー」 月「もうちょっとで終わるんですから。頑張ってくださいよ」 「はいはいっと。」 俺は月村が後ろからついて来ているのを音で確認してから、リビングを出て玄関に向かう。 大学は一応行くけど、彩南と同じだ。 普通に合格もしてあとは卒業式まで無事に過ごせばいいだけ。 月「どうぞ。」 「サンキュー」 月村からコートを受けとり羽織る。靴を履いて家のドアを開け、外にでる。月村も出てきて、家に鍵をかけた。
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