守りたかったもの

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俺は窓を閉めて車を降りる。鍵を閉める音がした。 花宮は4階立てのマンションに住んでいて、たしか3階だった気がするんだけど。 「月村、花宮の部屋覚えてる?」 月「もちろんです。」 「んじゃ、行くか。」 俺は月村と並んで階段をあがっていく。にしても、足がちゃんと治ってないのにこの距離を歩いてきたのか。またボロボロになったんじゃないだろうか...  ったく無茶ばっかだな。 3階に着けば花宮の部屋があるはずだ。 そう思い月村と並んで階段を上がって行く。 『さぁ!行くぞ!!』 花「やめて!恥ずかしすぎて死ねる!」 花宮と聞いたことのある声がした。 月村と一緒に階段の端から少しだけ乗り出して声がした方を見る。 そこには花宮をお姫様抱っこした快と抱っこされている花宮がいた。 「おい、なんで同じ部屋から出てきたんだ?」 月「同棲でもしてるんじゃないですか?」 2人がこっちに気付いたようでこちらを見ている。俺たちは2人と目が合わないように階段をあがる。 「なんだよーもうバカップル化かー?はー、ついていけねぇ」 月「最近の人はいろいろ早いと聞きますからね」 俺と月村はそう話しながら2人に近づいていく。 「ま、受け取って!」 俺はニコッとこれまで花宮に見せたことのないくらいの笑顔で、結婚祝いなどで使う封筒を渡そうとする。 花「わーうれしいーありがとー!…とでも……言うと思ったかあああああ!!!」 少し上から降ってきたのは怒声と手刀。俺は頭を押さえてそこにしゃがんだ。 「いってぇな!!!」 花「自分が悪いのよ」 快は俺を憐れんでなのか少し苦笑を浮かべていた。月村は相変わらず無表情だ。 花「もう恥ずかしいから入って」 快がドアを開け2人が入って行く。中から花宮の声がしたが、俺はそれよりきになることが目の前にあった。 「りょ……う…た?」 そこには俺がよく知っている涼太の姿があった。
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