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「ねーねー!蒼!」 蒼「なんだよ」 「涼ちゃん喜んでくれるかな?」 さっきからこの質問ばかりだ。 今は俺の親友の彼女、彩南と一緒に涼太の誕プレを買いに来ている。 蒼「お前…それ何回目だよ」 彩「だってぇ…蒼適当じゃん」 不満そうに頬を膨らませ、手に持っているマスコットキャラのストラップを胸に抱きしめている。 蒼「まだ買ってないんだから、自分の物にしないのー」 俺は彩南の手からそのストラップを取り上げた。 彩南は涼太のためなら何でもする。涼太が喜ぶこと。それは涼太が心臓病だからかもしれない。 蒼「…ったく。俺だって誕生日だってーの」 彩「え?」 蒼「なんでもないでーす」 ボソっと言った言葉は彩南に届かなかった。涼太の誕生日と俺の誕生日は一緒だ。 それをいまだに彩南は知らない。これだけ一緒にいるのに、だ。 涼太と親友になった1つの理由でもあるだろう。 誕生日が一緒だった事から意気統合した。 蒼「つか、お前さ…そのストラップお前が欲しいだけじゃにの?」 彩「う……」 彩南が持っていたストラップをまじまじと見てみる。 女の子が好きそうなキャラで、完全に彩南の趣味だろう。 蒼「涼太が欲しいもの聞かなかったの?」 彩「だって…涼ちゃん勘いいから」 しょんぼりした顔で少しだけうつむく。 確かに涼太は勘がいい。隠してる事があるとすぐバレてしまう。でも、涼太じゃなくても彩南の隠し事は気づく。 彩南は嘘を吐くのが苦手らしい。 蒼「で、親友の俺を連れてきた、と」 彩「うん!」
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