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彩南はパッと顔をあげて嬉しそうにうなずく。それはまるで子供が親におもちゃでも買ってもらったような笑顔だった。
蒼「別にいいけど」
さっき彩南から取り上げてたマスコットを棚に戻す。
蒼「リストバンドとかでいいんじゃない?あとはー…絵描いたりするから、スケッチブック?」
彩「リストバンドは蒼が欲しいだけでしょ」
蒼「そうですけどなにかー?」
若干すねる様子を見せながら、俺はスケッチブックが置いてある方にむかう。
彩南がついてくる足音がする。涼太が気に入りそうなスケッチブックを手に取り彩南に見せる。
蒼「こんなんは?」
彩「いいかも!……でも」
だまってしまった彩南を見る。首をかしげていると彩南が口を開いた。少し不満気な顔をしている。
彩「蒼が選んだことになっちゃうじゃん」
蒼「じゃあ、俺からのプレゼントはこれにしよう」
彩「あ、ずるい!」
声をあげた彩南にむかってベッっと舌を出した。彩南は頬を膨らませている。…ほんと、かわいいよな。
蒼「絵筆でも買えばー?」
返事を待たずに俺は自分が見たい物を見に行く。後ろからは声が返って来なかった。
少し振り向くと、真剣に悩んでる彩南が見えた。…涼太って愛されてんなー……
俺は自分が欲しいリストバンドを見に行った。そこにはいろんな種類のものがあった。
欲しいと思う物が中にはあったが、今日は涼太のプレゼントを買いに来た訳で自分がなにか買うつもりはなかった。
今回は見るだけで終わりにしておこう。
レジの方に向かう。愛想のいい店員のお姉さんがスケッチブックを受け取ってくれ、少し高めの声で金額をいう。
蒼「プレゼント用にしたいんですけど。」
「はい、少し待ってくださいね。」
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